「そろそろ終活のこと、話しておいたほうがいいのかな」と思いながら、切り出せないまま帰省から戻ることがあります。何から聞けばいいのか分からないうえに、親に嫌な思いをさせないかも気になるからです。
聞いておきたいことを全部リストにして、順番に質問しなくても大丈夫です。まずは一緒にお茶を飲みながら、いつもの話をしてみてください。話しているうちに、聞いてみたかったことを切り出すきっかけが見つかることがあります。
話してもよいかを最初に聞く
「終活」という言葉を出すと、親が身構えることがあります。この言葉は使わずに、聞きたいことをそのまま言うほうが、親も何の話か分かって答えやすくなります。
「準備しておいて」と頼む前に、「病院のこと、ちょっと聞いてもいい?」と確かめて、話すかどうかを親に決めてもらいます。気が進まない様子なら、「じゃあ、また今度にするね」と話を変えてください。別の日に聞いても話したくない様子なら、無理に聞かなくて構いません。
自分の話から始める
自分のことを先に話してから、親に聞く方法もあります。
- 「この前、保険を見直したついでに、家族の連絡先をまとめてみたんだ」
- 「うちも、もしものときに誰に連絡するか決めておこうと思って」
自分が先にやってみせると、親も「自分だけ言われている」と感じにくくなります。そのあとで「そういうの、どこにまとめてる?」と聞くと、話を始めやすくなります。
行事や出来事のついでに聞く
お盆やお彼岸、法事のときや、親戚の入院や葬儀のあとは、親のほうから「自分のときは…」と話し始めることがあります。
そうした話が出たら、「縁起でもない」と話を止めずに聞いてください。「そうなんだ。どうしてほしいとかある?」と聞き返すくらいで足ります。親の考えが自分と違っていても、その場では反対せずに聞きます。
最初に聞くことは1つに絞る
いきなり相続やお葬式の話をする必要はありません。そのときの会話に近いことを1つだけ選んで聞きます。
- 病院や薬の話が出たとき:「今、どこの病院に通ってるんだっけ?」
- 親戚や友だちの話が出たとき:「何かあったとき、誰に連絡すればいい?」
- 片付けをしているとき:「保険とか通帳の書類って、どこにしまってる?」
- 知り合いの介護の話が出たとき:「もしそうなったら、どうしたい?」
書類は、どこにあるかが分かれば足ります。金額や暗証番号まで聞く必要はありません。介護や相続の手続きで決めることが出てきたときは、市区町村の窓口や専門家に相談してください。
1つ聞けたら、その日はそれで十分です。親が別の話を始めたら、用意していた質問に戻さずに、その話を聞いてください。
何も聞けない日もある
かかりつけ医や薬、連絡先、大切な書類の場所、家のこと、これからの希望などは、いずれ聞いておきたいことです。終活の本やノートにも、こうした項目がまとめられています。
ただ、会うたびにそれを聞き出そうとすると、お互いに疲れてしまいます。聞いてメモしておきたかったことが、1つも聞けない日もあります。それでも、お茶を飲みながら話しているうちに、親について知らなかったことが分かることがあります。
昔の話を聞くことから始める
終活の話を切り出しにくければ、昔の話を聞くところから始めても構いません。どこで生まれて、どんな仕事をして、何が楽しかったかを聞いているうちに、これからどうしたいかを親のほうから話してくれることもあります。どんな質問から始めるか迷ったら、親に聞きたいこと12の質問を読んでみてください。写真や子どものころの話など、親が答えやすい質問を紹介しています。
次に会ったときは、いつもの話をしながら、聞けそうなことを1つだけ聞いてみてください。聞けなかったら、また次の機会で構いません。
